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「地域の知」シンポジウム 「緊急支援から地域再興へ―インド洋津波災害と地域社会」

インド洋沿岸各地に未曾有の災害をもたらした昨年末の地震・津波から約3か月。「地域の復興」という今後長く続く課題を前に、地域研究者、緊急支援に携わった研究者やNGOのメンバーが、被害の実情、緊急援助活動、災害による地域の変容、今後の課題を報告し、実務家と地域研究者の連携・協力の可能性を考えます。

日時 2005年4月9日(土)
会場 上智大学中央図書館 L-911

主催:地域研究コンソーシアム、上智大学アジア文化研究所
共催:ジャパン・プラットフォーム(JPF)/長崎大学熱帯医学研究所/国立民族学博物館地域研究企画交流センター

プログラム
基調報告 村井吉敬(上智大学アジア文化研究所)

セッション1 アチェ―紛争、災害、そして復興へ
司会:阿部健一(地域研究企画交流センター)
報告1 西芳実(大東文化大学国際関係学部)
    「紛争の中の被災、被災の中の紛争―その歴史的意味」
報告2 本名純(立命館大学国際関係学部)
    「インドネシア国家から見たアチェ―被災の前後」
報告3 田中洋人・長有紀枝(ジャパン・プラットフォーム スマトラ島沖地震被災者支援モニタリング調査員)
    「紛争下の緊急支援―アチェにおける津波災害支援」
コメント 山本博之(地域研究企画交流センター)

セッション2 スリランカ・インド―沿岸部社会と災害
司会:押川文子(地域研究企画交流センター)
報告1 高桑史子(東京都立短期大学)
    「スリランカ漁村社会と災害」
報告2 杉本良男(国立民族学博物館)
    「タミル沿岸部社会と災害」
報告3 錦織信幸(長崎大学熱帯医学研究所)
    「緊急援助と地域理解」
コメント 門司和彦(長崎大学熱帯医学研究所)

総括討論
司会 中村安秀(大阪大学大学院人間科学研究科)

趣旨
未曾有の災害であったインド洋大地震。甚大な被害を受けた地域に対して、世界は強い同情を示しました。各国の迅速な支援ぶりは、あちこちで紛争がやまない現代において、人々が他者の苦境を理解し「痛み」を共感できることをあらためて思い起こさせました。国際社会は医療活動や食糧供給といった緊急支援活動を行ってきましたが、被災地域の復興という長期的な援助はこれからです。

緊急時においても、地域の実情に考慮した支援が求められます。長期的な復興援助では、なおいっそう、地域の社会・経済・政治・文化的な違いに配慮した支援のあり方が問われます。地域の理解をめざす「地域研究」がかかわってくるのはまさにこの点です。

今回のシンポジウムでは、被災地域のうち、アチェ(インドネシア)とインド・スリランカに焦点をあて、これらの地域を研究対象地域として研究してきた研究者と災害後緊急支援に携わった研究者やNGOのメンバーが、それぞれの視点から、被害の実情と緊急援助活動、災害前後の地域の変容、そして今後の本格的な復興にむけてのそれぞれの地域の直面する課題について報告していただきます。

地域の復興という長く続く現実の課題を前にして、実務者と地域研究者がどのように協力し合えるか議論したいと思っています。

入場無料 / 登録不要

お問い合わせ:地域研究企画交流センター