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近現代中国における民族認識の人類学

種別 書籍
著者・編者 瀬川昌久
出版社 昭和堂
出版年月 2012 年 01 月
研究分野 社会・文化(宗教、民族、ジェンダー、移民),歴史・地理・建築,言語・文化・芸術
対象地域 東アジア
要約 本書では、費孝通の「中華民族多元一体構造論」が、中国国内に暮らす諸民族の社会文化的動態、とりわけ近年の急激な変化との間に、どのような整合性をもっているかについて、民族誌データならびに歴史資料による実証的な検証を加え、その学術的価値と限界とを客観的に明らかにすることを目的とする。同時にまた、現在の中国において、同理論が提供する民族関係についての認識枠組みが、どの程度まで現地の行政担当者や地元の知識人によって理解され共有さえているかを明らかにすることをも目標の一部とする。更には、費孝通により同理論が形成されるにいたった背景を、単に現代中国の政治状況や政策理念との関係においてではなく、中国における今日的な民族認識の成立に与した学術的・非学術的レベルの文化認識や社会認識との総合的関わりの中で理解することをも目指すものである。
詳細 目 次

第Ⅰ部 民族接触の現場からの検証
第1章 中華民族多元一体構造論と民族行政の現場における民族認識―広東地域の事例を中心に(瀬川昌久)
第2章 民族の名のりと移住―貴州省黔東南苗族●族自治州の事例から(曽 士才)
第3章 漢族と非漢族との相互影響について―広西の「蔗園人」の習俗に関する一考察(塚田誠之)
第4章 都市の再開発と回族コミュニティーの変容―江蘇省南京市の事例を中心に(西澤治彦)
第5章 ●川地震後におけるチャン文化の復興と禹羌文化の創出(松岡正子)
第Ⅱ部 史的パースペクティブからの検証
第6章 少数民族教育と中華民族多元一体構造論―雲南・徳宏タイ族の学校教育の事例から(長谷川清)
第7章 漢族の中の多元と一体―近百年における百家アイデンティティーの動態を例に(瀬川昌久)
第8章 太平天国の百家正統論と「中国」ナショナリズム(菊池秀明)
第9章 中国の国家・民族論の系譜における中華民族多元一体構造論の位置づけについて(上野稔弘)


ISBN番号 978-4-8122-1150-2
サイズ B5版
価格 4500
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