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「地域の知」シンポジウム 「中東から変わる世界」

 チュニジアの「ジャスミン革命」に始まる中東地域の政治情勢の流動化は、今後の世界のあり方を確実に変えるものである。中東地域では権威主義体制がなくならないという認識はすでに過去のものになった。国際社会はイラク空爆が安定的な民主化をもたらさなかったという経験を持ちながらリビア空爆に踏み切った。中東情勢の変化とそれへの対応は、これまでも何度か世界秩序の再編のきっかけをつくってきた。現在私たちが直面している事態はどのような世界に私たちを導くのか。中東・イスラム地域だけの問題として捉えるのではなく、現代世界の全体にかかわる問題として考えたい。

日時:
   2011年4月16日(土) 13:30-18:00、4月17日(日) 9:00-16:15
場所:
   京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
   http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/access/
主催:
   地域研究コンソーシアム(JCAS)
   京都大学地域研究統合情報センター
共催:
   京都大学地域研究統合情報センター共同研究
   「ヒューマン・パワー時代の外交・安全保障の現場と地域研究」(代表者:川端隆史)

プログラム:
   ● 2011年4月16日(土)
    13:00 受付開始
    13:30-13:40 開会挨拶 宮崎恒二(地域研究コンソーシアム会長/東京外国語大学)
    13:40 第1セッション
     司会 家田修(北海道大学)
     パネリスト
      酒井啓子(東京外国語大学)「アラブ諸民衆革命にみる対外依存・干渉の功罪」
      高原明生(東京大学)「『蘇東波』の20年後に襲った『中東波』:中国の政治社会への影響」
      廣瀬陽子(慶應義塾大学)「旧ソ連諸国が危惧する第二の『色革命』」
      藤原帰一(東京大学)「前衛なき革命:東南アジア政変と中東」
      武内進一(JICA研究所)「中東で起きていることをアフリカの視点で考える」
      恒川惠市(政策研究大学院大学)「政治体制変動の客観的要因と主観的要因」
    16:50-17:50 討論
    17:50-18:00 総括 林行夫(地域研究コンソーシアム事務局/京都大学)
    18:30-20:00 懇親会(稲盛財団記念館大会議室、会費制)

   ● 2011年4月17日(日)
    司会 西芳実(京都大学)
    9:00-10:30 パネル1 「軍と政変」
     報告1 鈴木恵美(早稲田大学)「エジプト革命後の新体制形成過程にみる軍の役割」
     報告2 増原綾子(亜細亜大学)「政変・民主化を考える:インドネシアの事例から」
     報告3 菊地信之(外務省)「湾岸王政国(主にサウジ)の統治における軍事の意義と湾岸地域の戦略環境の変化」
    10:45-12:15 パネル2 「宗教と社会福祉」
     報告1 横田貴之(日本大学)「エジプト・ムスリム同胞団の社会活動と政治的動員」
     報告2 見市建(岩手県立大学)「インドネシアにおけるイスラームの組織化:互助機能と政治的動員」
     報告3 飛林良平(外務省)「社会サービス提供主体としての国家の役割:ルーマニアの事例を通じて」
    13:30-15:00 パネル3 「越境する人と情報」
     報告1 錦田愛子(東京外国語大学)「政変と紛争における社会的弱者と情報ネットワーク」
     報告2 高岡豊(中東調査会)「越境する興奮、越境しない世界観」
     報告3 塚原信行(京都大学)「情報ネットワークの社会的条件」
    15:15-16:15 総合討論
    16:15 閉会