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社会連携セレクション

 地域研究は 、地域に根差した活動やそのような活動を行う団体に、 どのように関わるのかという問題があります。研究の対象である場合も、研究者が直接に参加する場合も、または研究の延長として研究団体が社会活動を行う場合もあるでしょう。
 そこで2020年度から毎年、地域研究コンソーシアムの運営委員と加盟組織が、数十の活動や団体を選び、それらを集め、ホームページ上に掲載することにしました。日本国内のものも、国外のものも、有名なものも、さほど名前が知られていないものも、アカデミックなものも、そうでないものも含まれています。地域研究の立場から見て、意義深い問いかけを行っている、このことが大まかな基準です。
 今後とも、年ごとに新たなセレクションを追加していきますので、宜しくお願い申し上げます。

  1. PNLSC(フィリピン日系人リーガルサポートセンター)
    フィリピンの日系人に関わる活動を高く評価できる。就籍や一時滞在ビザの発給等も含め、日系人が日本に来ることができる、または日本で働くことができるように支援してきた。それに加え、同国の日系人社会や、彼らが歩んできた歴史について、日本社会に発信し続けている。フィリピンの日系人社会を、歴史をさかのぼり、地方、国家、国際社会と様々位相から理解し、その理解を発信しようとしてきたことは、地域研究の視点から見ても優れた活動である。

  2. NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク
    宮城県内の歴史研究者や大学院生、あるいは文化財行政に関わる自治体職員などを中心に立ち上げた歴史資料の保全活動をおこなう組織。地域の歴史資料所在リストの作成や地震などの自然災害時の歴史資料の救出活動、さまざまな事情で廃棄処分などの危機に直面している歴史資料の救済活動などに取り組んでいる。

  3. パレスチナ学生基金
    2010年にイスラエル/パレスチナと隣接国をフィールドとする研究者と国際協力NGOのメンバーを中心に結成され、ヨルダン国内で無国籍という地位に置かれ、就業に制限のある厳しい経済状況の中で、外国人と同じ高額の授業料を大学に支払わねばならないガザ難民を対象に、大学に通うための奨学金をUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を通じて無償で提供する「ガザ難民奨学金プロジェクト」を実施している。

  4. 認定特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金
    認定特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金は、パラグアイと日本で子どもや女性、社会的弱者の支援を行っている団体です。活動は1995年より開始し、パラグアイ農村部に4つの学校を建設、教育の質の向上のための支援を行っています。また、パラグアイのスラムの若者たちと連携し職業訓練を行ったり、伝統工芸品ニャンドティ(蜘蛛の糸)の作り手の方々への技術支援とブランディングサポートなども行っています。日本では横浜と福岡で子どもたちの居場所事業を展開しております。みんなに優しい世界をつくるというビジョンを掲げ、日々、メンバーと奮闘しています。

  5. NPO法人森は海の恋人
    NPO法人「森は海の恋人」は、環境教育、森林再生、自然環境保全の3つを活動の柱としている。創設者(漁師)が沿岸部の水質改善を目的に始めた森林再生は、全国に広がる漁民の森づくり運動、1万人を超える学童の教育、そして京都大学流域圏と海をつなぐ会(FSERC) 誕生につながった。自然環境を良好な状態に保てるかどうかは、そこに住む人々の意識にかかっていることを重視しており、その活動は国内外に広く知られている。

  6. 名古屋大学SKY(Skills and Knowledge for Youth)
    名古屋大学で研究した教育評価プログラムにより、①アフリカ、アジア等の開発途上国の経済成長と貧困削減の根源となる産業人材の効果的な育成手段を提案し、②職業技術教育が産業界で必要とされる技能を持った人材を提供できているかどうか特定するとともに、③国・産業を問わず、企業や開発途上国の政府が活用できる技能評価の適切なモジュールを開発して実用化すべく、南アフリカ、エチオピア、ガーナなどの事例国で施行と検証を続けている。

  7. EDAYA(エダヤ)
    ルソン島カリンガ族出身の竹工芸家と日本人デザイナー/研究者が2012年に共同設立。ジュエリーや楽器、インスタレーションなど竹を媒体に、文化の活性化や保存ための、革新的な手法やアイディアを打ち出す。地元の竹文化の現地調査を行い、日本とフィリピン、ミャンマーの人々と共に、多文化間での竹を使った教育モジュール開発なども行なっている。

  8. 一般社団法人大阪ベトナム友好協会
    若い世代の日越夫婦によって日本とベトナムの文化交流を中心に活動している。ベトナム国立歌舞団出身の舞踊家も所属しており、各国の国際交流イベントへの出演も行なっている。また、大阪で唯一の常設のベトナム獅子舞チームを運営する。行政関係や他のベトナム友好協会からの委託を受け各種ベトナム交流プログラムの運営や通訳翻訳も行なう。日本人とベトナム人が同じ目線で活動をすることを大切にしている。

  9. 一般社団法人あいあいネット
    活動規約に明記された活動の目的は、「日本およびアジア・アフリカ等の世界各地で住民主体の地域づくりに取り組む実践者たちをつなぎ、経験交流や研修及び共同調査等を通じて相互のまなびあいを促進すること」とされる。そのために、インドネシアや日本、その他の国や地域にて実際に地域づくりに携わる人たちの現場を相互に訪問、交流し、あらたなネットワークをつくりながら、相互に学ぶ場を作り出す活動を進めている。2022年度JCAS社会連携賞を受賞した「鈴木玲治『焼畑が地域を豊かにする:火入れからはじめる地域づくり』(鈴木玲治・大石高典・増田和也・辻本侑生(編)、実生社、2022年3月)」の活動も、当法人の活動の一環として行われた。

  10. 特定非営利活動法人Seed to Table〜ひと・しぜん・くらしつながる〜
    ベトナムにおいて対象地域の環境、人々の暮らしと文化を守り、次世代につなげていくために環境に配慮した農法を紹介する他、地域の文化や固有の種を活かした産品づくり、農業分野を担う人材の育成などに取り組んでいる。

  11. 野毛坂グローカル
    日本と海外のコミュニティの学び合いにより相互の発展を目指す活動を行っています。先行してはタイと日本の湯河原町や横浜とのネットワークによるコミュニティに根ざした高齢者ケアに関する学び合いを実施しており、さらにコミュニティにおける多文化共生や青少年活動振興に分野を広げていこうとしています。

  12. 2021年度 社会連携セレクション

    1. アジア農村研究会
      アジア農村研究会は、主に、アジアを研究対象とする大学院生・若手研究者を主体とする自主的な研究会である。1993年から組織され、コロナ禍以前は、テーマを決めた研究会と、アジア各地でのフィールドワークをほぼ毎年行っていた。そうした活動を通じて、臨地調査方法論を学びながら、自分のディシプリンや研究テーマにとらわれず、地域を総合的に理解する視点や手法を学んできた。

    2. アプラ(特定非営利活動法人APLA)
      日本を含むアジア各地で「農を軸にした地域自立」をめざす人びとが出会い、経験を分かち合い、協働する場をつくる特定非営利活動法人。人びとが平和に暮らし、生きるためには「農業や漁業で食べていける地域づくり」が必要であるという考えを基盤として、日本がアジアを「支援する」という一方的な関係を超え、オルタナティブをともに考えるネットワークを如何に形成するかを問いながら、フィリピン、インドネシア、東ティモール等でのエシカルな農産物を媒介に地域をつなぐ活動を行う。

    3. アンデス文明研究会
      古代アンデスならびにメソアメリカ文明に興味を持つ一般の人々や研究者による研究会。1994年設立。定例講座の毎月開催、会報『チャスキ』の年二回発行などを実施している。

    4. いくのもり(社団法人)
      在日コリアンを含め多文化な暮らしが息づく⽣野区の地域活性化を目的とした団体。生野区のなつかしい未来をつくるため、⽣野区のまちの 「包容⼒」を根本に、まちの課題や問題を解決する。 そのために⽣野区のまちづくりに関連するあらゆる知識、 モノ、コンテンツ、イベント、情報を拡散し、⽣野に関⼼のあるすべての⼈(いくのなひと)を有機的に組織する場を創ることを⽬的としている。市場の文化祭、空き家プロジェクトなど多数。現在は行政と連携して地域おこしをしている。

    5. シー・フード・トレーサー(Seafood Tracer「持続可能な利用、市場アクセスの改善、ブルーエコノミーの強化のための革新的なシーフードトレーサビリティネットワーク」)
      Seafood Tracerは、漁業者や水産物流通業者、消費者、市民科学者、学校関係者などのステークホルダーがタコのeDNAを収集し、おもな活動としてはウェブサイトに情報を集積している。これは、上記の人々が環境資源の維持に積極的に参加していることを示す。最終的な目標は、持続可能なタコ漁業を確保するための国際的な水産物トレーサビリティーツールを確立することにある。参加メンバーは、日本、アメリカ(アラスカ、カリフォルニア)、メキシコ、南アフリカで構成されている。

    6. 上智大学イベロアメリカ研究所
      イベロアメリカ(ラテンアメリカ)諸国の政治・経済・文化等の諸問題に関する調査、研究ならびに日本とこれら諸国との学術交流の促進を目的として、1964年に設立されたもので、上智大学研究機構に所属しています。本学外国語学部イスパニア語学科、ポルトガル語学科、大学院グローバル・スタディーズ研究科と緊密な協力関係にあり、内外の調査研究機関や文化交流機関と協力関係を保ち、学術面での積極的な交流を行っています。

    7. セブ研究センター(Cebuano Studies Center)
      本センターは、フィリピン・セブ市のサンカルロス大学の付属機関である。マニラ中心となりがちなフィリピンの学知のなかで、学際的なセブ地域研究を1975年以来行ってきている。同センターに所属してきた研究者は、とりわけ文化研究においてフィリピン研究全体をリードしてきた。また、付属図書室は他には見られない資料を保存しているし、最近ではアジア・太平洋戦争以前の資料についての充実したオンライン・アーカイブスを構築してきた。一地方の貴重な知的資源を発掘、公開しつつも、フィリピン研究やアジア研究に大きな貢献を行ってきている。

    8. 総合地球環境学研究所 サニテーション価値連鎖プロジェクト
      サニテーションとは一般に、し尿を安全に処理、処分する技術や設備を意味するが、本プロジェクトでは、サニテーションは社会・文化に埋め込まれた仕組みであり、人間や地域社会における価値とその連鎖として考え、アジア、アフリカの地域社会において、現地の多彩なアクター(住民、NGO、子どもクラブ、学校、農家、水利用組合、大学、研究機関…)と地域のサニテーションを共創している。

    9. 大東文化大学国際関係学部地域研究学会フェアトレード研究班Aviej
      2013年設立。国際協力、特にフェアトレードについて学び、「大学生でもできる国際協力」を掲げて学内外のイベントに出店。実際にフェアトレード商品を提供するほか、SNSを通じて情報を発信し、より多くの人々にフェアトレードを身近に感じ、親しみを持ってもらうことを目指した学生団体。フェアトレード大学認証に向けた活動を大きな目標としている。

    10. 太陽と水と緑のプロジェクト(NPO法人)
      インドやガーナをはじめ世界の国々と日本の市民をつなぎ、経済的に貧しい人も、ソーラーパネルとLEDの恩恵を受けられるようにし、安全できれいな飲み水と農業用水を確保し、有機農法、自然農法を普及させることによって、安全・安心な食物が食べられる社会の形成をめざす。農民の自立と生活環境の改善と交流や普及啓発に関する事業を推進し、人と自然の調和がとれた社会づくりに寄与することを目的としている。

    11. 日ASEAN科学技術連携を担うコーディネート人材養成
      不確実性が高く複雑な現代社会の課題に対して科学的に裏打ちされた解決策と行動様式を地域社会へ提示するためには、academiaとnon-academiaが共にプロジェクトを立案し、知恵やリソースを持ち寄り、研究成果を共通課題へ還元する調整機能が必要である。京都大学は、日本とASEAN地域で大学・研究機関・省庁が協力して、企業や地元住民等を含めた異なるセクターを繋ぎ、共同研究の種を育てる「科学技術イノベーションコーディネーター」の養成に取り組んでいる。

    12. 北海道大学アイヌ・先住民研究センター
      2007年に北海道大学の協働教育研究施設として設置されたセンター。多文化が共存する社会において、とくにアイヌ・先住民に関する総合的・学際的研究に基づき、それらの互恵的共生に向けた提言を行うとともに、多様な文化の発展と地域社会の振興に寄与することを目指している。

    13. マナラボ 環境と平和の学びデザイン
      マナラボは、子どもや市民を中心に、地域研究者や文化人類学者、俳優、ファシリテーターらが集い、〈頭〉だけではなく〈身体〉を使い、「共に構成し理解を深める学びの場」としてのワークショップやプロジェクト実践を行うプラットフォームである。「地球たんけんたい」という親子参加型のワークショップを定期的に行っており、世界各地域をフィールドとする研究者や劇団員などとコラボしながら、ロールプレイ、民話鑑賞、創作活動などを通じて各地域の文化を疑似体験できるように工夫している。コロナ禍でもZoomなどを用いながら親子で地域を学ぶ機会を提供している。

    14. 三鷹まるごと博物館
      東京都三鷹市では、まち全体を屋根のない博物館「三鷹まるごと博物館」に見立て、地域の歴史や文化を市民と一緒に調査・研究するエコミュージアム事業を展開している。活動や研究を紹介する情報誌『みぃむ』を 年1回程度発行。

    15. メコン・ウォッチ(特定非営利活動法人)
      東南アジアのメコン河(メコン川)流域の開発や経済協力が、地域の自然資源を生活の糧としている流域の人々の生活を脅かさないように、調査研究や開発機関への働きかけを主な活動として1993年に設立されたNGOである。ミャンマーに関しても、軍や企業などを含めて政治的な問題に関する取材を丁寧にすすめ、他では入手することの難しい情報を集めており、軍事政権下のミャンマーに関する重要な情報を世界に発信している。

    16. Yangonかるたプロジェクト
      ミャンマーから帰国した16歳の高校生が、ミャンマーにも普通の暮らしがあったことを広く知らせ、支援するために考えた、日本の文化である「かるた」を通して文化の多様性やSDGs、世界の問題を学ぼうとするプロジェクト。子どもから高齢者まで楽しめるこの「かるた」は、ミャンマーの現状を示す写真と短いキーワードを使ってつくられ、現地の様子を鮮明に伝えている。



    17. 2020年度 社会連携セレクション


      1. アジアとアフリカをつなぐ会/Asia and Africa Join Effort (AAJE)(特定非営利法人)
        エチオピアの南オモ県で調査を実施している研究者と地元の人々とが協力して、1989年に地域の子どもたちの進学を支援する奨学金制度を設立したことから、本会の活動がはじまった。2003年に特定非営利法人登録し、地域社会の内発的発展に資する活動について、地元の人々との協働を推進している。2008年より在来農業システムを生かした農村開発に着手。エチオピア独特の栽培植物エンセーテの品種多様性を保持しその加工品開発とマーケティングを実施し地域社会の生計への貢献をめざしている。

      2. アフリック・アフリカ(特定非営利活動法人)
        アフリカの都市や農村で現地の人びとと寝食をともにしながら、フィールドワークを実施してきた会員によるエッセイや料理紹介、授業や講演会、写真展を通じて、同時代のアフリカの姿を伝える活動をしている。またタンザニアにおける人とゾウの共存をめざすプロジェクトやコンゴ民主共和国の水上輸送プロジェクト、暴力を受け困難を抱えるベナン女性の居場所作りなど、アフリカに暮らす人びとによる地域に根ざした主体的な活動の支援も続けている。

      3. 天野プレコロンビアン織物博物館(AMANO, Museo Textil Precolombino)
        ペルーで活躍した天野芳太郎の収集による織物などの考古文化コレクションを中心に展示するペルー・リマ市内の博物館(1964年創設の天野博物館から、2015年のリニューアルにともない名称変更)。日本とペルーの研究者の架け橋的な存在。

      4. イベリア・ラテンアメリカ文化研究会(SECILA)
        2001年に、イベリア半島およびラテンアメリカを対象として、居住地域や所属の壁を越えての学びあいの場として創設した。参加者は研究者に限らず、関心がある人すべてに開かれている。年に2-3回、関東および関西で例会を開催してきたが、2020年度はオンラインで開催した。今後とも対面とオンラインの長所を生かしながら、国境も越えて交流の場を広げていく。

      5. ウィメンズアイ(通称:WE、特定非営利活動法人)
        3.11の震災ボランティアとして南三陸町にはいった女性4人が理事になり、継続的に南三陸町ほか被災地を中心に、とくに女性支援をテーマに、現在まで継続的なコミュニティや地場産業づくりの場や、女性のエンパワメントの支援活動を行っている。とくに、クラフトやパン作りなどのものづくりの場をつくったこと、さらに近年は、地域資源を循環するスモールビジネスを、地域社会の新たな経済活動モデルとして構築すべく、全国の地域活性などにとりくむ(主に)女性たちのネットワークを作って、問題共有しようとする活動などが注目される。

      6. うなづき症候群対策ネットワーク (Uganda-Japan Nodding Syndrome Network)
        てんかん性脳症の一つである「うなづき症候群」の患者とその家族のおかれた現状を理解し改善していくため、ウガンダ人研究者・保健医療従事者とともに、日本の地域研究者や健康・医学系研究者など異なる専門分野の人たちが学際的に協働し、長期的な保健医療の観点から対策を考えるネットワークである。将来的にはウガンダ北部地域の保健医療システムの不足を補う、コミュニティに根差した多面的な疾病対策方法モデルを確立することを目標としている。

      7. エクアドルの子どものための友人の会(SANE)(特定非営利活動法人(NPO法人))
        教育を通してエクアドルの子どもたちを支援するために1989年設立されたNGO。活動地域は首都キトと山間部のカヤンベで、主な活動内容は奨学生事業、教育環境改善のための学校を舞台とした事業。現地NGOのSOJAE(ソハエ)とパートナーシップを組んで事業を展開する。

      8. エストゥダーモス・ポルトゥゲース(Estudamos Português!)
        ポルトガル語・ポルトガル語圏文化の普及とポルトガル語を学ぶ学生とポルトガル語圏出身者の交流を目的に、2018年9月に設立された学生団体。日本でポルトガル語を専攻できる6大学(東京外国語大学、大阪大学、上智大学、京都外国語大学、神田外語大学、天理大学)の学生を中心に10大学の78名で活動している(2021年2月現在)。主な活動内容は「フリーペーパーの発行」、「スピーキングセッションの開催」、「イベントの開催」。

      9. 京大農薬ゼミ
        京都大学の自主ゼミとして、農薬を少しでも省いた農法「省農薬栽培」の可能性を探り、40年以上にわたり活動している。1970年代の農薬裁判を研究者として支援していた石田紀郎氏と学生たちによる自主的な勉強会として始まり、ミカン農家との協働によるオンサイトでの省農薬栽培研究を継続してきた。害虫の見回り推定法は、ボルネオの熱帯林プロジェクトにも応用され、日本から世界へと広がりを見せている。

      10. 京都ラテンアメリカ文化協会
        ラテンアメリカに興味がある社会人・学生が集まった親睦団体。ラテンアメリカ各国の料理や音楽、文化を体験する例会を行う。京都とメキシコやブラジルとの親善交流なども実施。

      11. コーディリエラ・グリーン・ネットワーク (Cordillera Green Network: CGN)、山岳先住民の経済と文化両立の基盤である地域環境
        フィリピン、ルソン島の山岳地域において、先住民社会の文化を守るためには経済活動が必要であり、経済基盤の安定のためには地域環境保全が必要であり、地域環境は文化の基盤であることを住民と共有しながら、輸出産業としての珈琲の木の植林、技術指導、演劇による環境教育などを展開している。

      12. 在日韓人歴史資料館
        在日朝鮮人の立場から、歴史資料を収集し、公開・展示している。また土曜日にはセミナーを行っている。展示、書籍刊行、セミナーを通して、社会史、社会運動史、日本の民族的マイノリティの歴史に対する貴重な貢献をしている。

      13. サンパウロ人文科学研究所(Centro de Estudos Nipo-Brasileiros)
        海外最大の日系人居住国ブラジルにおいて、日本人移民史、日系社会、日本との交流史、日本文化の受容、日本文化の研究・普及などのテーマに関して調査研究を行う。起源は1949年発足の日系人組織にさかのぼり、2013年に日本支部が創設され、日伯両国間の交流拠点の役割を担う。

      14. ストリートチルドレンを考える会(Children Future Network)
        1993年東京に設立されたNGO。世界中の子どもたちの未来を考え、行動する人の輪をつくることを目的として、ストリートチルドレンに関する学習会やセミナー、メキシコやフィリピンへのスタディツアー、情報・資料の提供などの活動を行う。

      15. 全国高等学校長協会入試点訳事業部
        入学試験や資格試験など、視覚障害者の就学・就労にとって有益と認められる各種試験の点訳(文字を点字に翻訳すること)、および墨訳(点字を文字に翻訳すること)が主たる活動内容である。また、専門点訳技術者の育成や試験点訳に関する研修、視覚障害教育に関する専門研修等の企画・運営を行っている。

      16. 東京大学ラテンアメリカ研究センター(LAINAC)
        東京大学とラテンアメリカおよびスペインの有力大学との間の研究教育関係を強化することを目的として、2014年に教養学部・総合文化研究科内で発足したプロジェクト。ラテンアメリカ地域研究のほか、幅広い研究と学生交流を行う。メキシコのエル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学(El Colegio de México)はじめ諸大学との間でパートナーシップを拡大中。

      17. 東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門、古文書がつなぐ地域連携事業
        地域に伝来する古文書などの歴史資料を、地域の人々と連携して保全する活動を行い、その調査成果を歴史講座・展示・刊行物などによって市民に発信している。2012年4月より宮城・山形・福島の三県で活動している。

      18. 東北大学東北アジア研究センター佐藤研究室、地中レーダシステムの開発と応用による地雷除去活動
        東北大学東北アジア研究センター佐藤研究室は、対人地雷検知のための地中レーダーシステム(ALIS)を開発した。人道的地雷除去は農民生活と密着に関連しており、2006年以来カンボジアで農村の経済的自立をめざした現地活動を継続している。

      19. 南山大学ラテンアメリカ研究センター
        ラテンアメリカに関する文化の紹介、資料の閲覧・貸出業務などを行うとともに、ラテンアメリカ研究を深化させるべく講演会、公開シンポジウム、学術刊行物などを通じて研究成果の社会還元を目指す。1964年設立、1983年の再編で現センターとして発足。

      20. 難民ナウ!
        難民ナウ!は、京都三条ラジオカフェ(FM79.7MHz)で毎週土曜日19時に放送されている6分間の番組である。代表者の宗田勝也さんは、「難民問題を天気予報のように」をコンセプトに、「難民」の存在を地域の中で多面的に地域のなかへ伝えつづけている。また、ラジオ制作だけでなく、大学と社会の変革を地域から目指すプロジェクトなど社会と大学、コミュニティを繋ぐ活動を続けている。
        インタビュー Vol.4 難民についてラジオで発信する 宗田勝也さん – UNHCR Japan

      21. ニカラグアの会(Asociación de Ayuda a Nicaragua)
        ニカラグアに医療品を送る会として1985年設立、2002年に名称変更。職業訓練、環境やエネルギー、教育や村落開発などの分野で、ニカラグアの青少年・女性の自立支援を行う。

      22. 日墨交流会(Asociación de Ex-Becarios Japoneses en México)
        日墨政府交換留学制度で日本側からメキシコへ派遣された元・留学生有志によって、1994年設立。メキシコの人と文化のすばらしさを知ることを通じて、相互理解を促進し、友好親善に寄与する目的で、親睦・交流を行う。

      23. 日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(RECOM)
        中南米、カリブ地域において社会的、経済的に困難な状況におかれている人々、 そしてそれをはねかえすために運動をしている人々とのネットワークを築き、相互理解を深めるとともに、 直接あるいは間接的に支援活動を行うことを目的とする。1992年設立以来、とくにグアテマラの民主組織への支援を継続してきた。ニュースレター「そんりさ」を発行。

      24. NOOK (読み方:のおく、一般社団法人)
        3.11の震災後に支援活動や災害経験の記録活動に従事してきた、アーティストや映像作家が、災害経験や地域文化の記録を目的に立ち上げた団体である。せんだいメディアテークが地域で展開するアートプロジェクト「アートノード」事業の一環として、仙台にある「東北リサーチとアートセンター(TRAC)」のギャラリーやイベント運営等も担っている。3.11の被災地を中心に、震災や戦時の空襲等の語り部について、その「伝え方」に着目している。記録と表現について考える展覧会、たちあがりの技術vol.1「語り野をゆけば」(2018)など、様々な活動を行っている。

      25. パレスチナ 子どものキャンペーン(特定非営利活動法人(認定NPO法人))
        1986年に設立され、レバノンの難民キャンプの子どもたちに靴や衣料を配付する活動を手始めに、ガザ地区でのろう学校や児童館の設立・支援、農業や乳がん検査経費の支援など、多彩な支援を行っている。シリア難民や東北被災地の子どもの支援にも取り組んできた。

      26. ブラジル日本移民史料館
        ブラジルへの日本人移住70周年祭の記念事業として、1978年6月サンパウロ市に開館。日本移民の記録を保存し、後世にその歴史を伝えながら、ブラジル社会に普及することを目的とする。

      27. 平和環境もやいネット(NPO法人)、地域の力と多様性を生かす活動の連携
        アジアやアフリカをフィールドとする地域研究者らが、学術的に議論してきた地域共同体の環境や文化の尊重や保全について、いかに直接地域に働きかけ実現させるか、インドネシア、東ティモール、カメルーンにおける植林、小農支援、土壌改良などの具体的活動を通して探求している。

      28. 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター、研究をわかりやすく伝える
        一般市民を対象とした公開講座や、スラブ・ユーラシア地域の最新の研究内容や情報を広く公開する公開講演会を開催している。北大祭期間中にはセンターを一般公開し、研究内容をわかりやすく説明する「サイエンス・トーク」や、スラブ・ユーラシア地域についての企画展示を行っている。公開講座公開講演会

      29. 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター、社会と共創するための企画を提案する
        実社会のための共創研究セミナー(実社会共創セミナー)は、研究者、国民、メディア、産業界、政策形成者などによる対話=「共創(co-working)」を推進するため、スラブ・ユーラシア地域及び関連する人文・社会系の研究セミナーを募集している。

      30. 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター、市民とともに研究会で考える
        北海道スラブ研究会は、スラブ・ユーラシア地域に関心を持つ一般の人々と北海道内の研究者の連携を深めるため、毎年数回、幅広い話題を選んで内外の専門家を招いた研究会を開催している。北海道中央ユーラシア研究会は中央ユーラシア地域を学際的・総合的に研究する会で、中央ユーラシアに関する学問的な研究に関心のある者なら誰でも参加できる。
        北海道スラブ研究会北海道中央ユーラシア研究会

      31. 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター、地域の境界を開く
        センター内に設置された境界研究ユニット(UBRJ)は、北海道大学総合博物館での展示やセミナーの開催をはじめ、ボーダースタディーズ(境界研究)にかかわる研究成果を社会還元している。境界自治体によるセミナー開催や、旅行会社などと提携したボーダーツーリズム(国境観光)を実践する境界研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の事務局としての活動を通じて、地域社会へ貢献している。

      32. ミタイ・ミタクニャイ子ども基金(特定非営利活動法人)
        パラグアイ農村における学校建設や教育支援、伝統工芸品フェアトレード、生活改善支援、スラム支援、シングルマザーへの所得創出支援などの活動を展開する。2014年、横浜国立大学教員を中心に設立。現地大学と連携協定を締結して長期・短期のインターンを受け入れている。

      33. 宮城県鳴子温泉郷(川渡温泉)における地域おこし活動
        川渡温泉出身の準喫茶カガモク店主による地域おこし活動。地域おこし仲間と共にゆるやかなネットワークをつくり、地域をベースに永住を前提とするかのようなゆったりとした多様な地域おこし活動を実施し、外部にも発信。自身は、手作りの喫茶店を建設・経営し、鳴子名産のこけしに関する商品と情報の発信。家族との時間を優先させながら、誰もが一人ではじめることのできるような活動内容であるにもかかわらず、すそ野の広い活動につながる。
        トヨタ財団広報誌「JOINT」お茶っこ通信 加賀道

      34. ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト
        大虐殺を経験したルワンダにおいて、分断した国民が互いの違いを認め合い、もう一度一つになろうという願いを込めて、1997年から「One Love」プロジェクトを実施している。特に、ルワンダとブルンジで義肢製作所を開設し、障害をもつ人びとを支援してきた。この活動は、松島恵利子著『義足と歩む ルワンダに生きる日本人義肢装具士』(汐文社, 2019)に詳しく書かれている。ただ2020年にルワンダの義肢製作所が同国政府により強制撤去され、またブルンジの義肢製作所も治安悪化のため閉鎖を余儀なくされた。現在は地域の人びとのため、粘り強く再建を目指し、活動を続けている。ガテラ・ルダシングワ・エマニュエル、ルダシングワ(吉田)真美

      35. メキシコ先住民運動連帯関西グループ
        1996年、メキシコ・チアパスで開催された大陸間会議に参加した関西在住者による報告会をきっかけに発足。メキシコ先住民運動に対する連帯活動を展開する。

      36. モースト(NPO法人)
        被爆後の広島に医薬品を運んだマルセル・ジュノー博士の遺志を受け継ぎ、ウクライナ、チェチェン難民キャンプ、パレスチナ・ガザ地区の小児喘息医薬品、イランの毒ガス被害者など、主に海外での医療支援を行っている。また世界で唯一、「毒ガス被害者が主役」の映画祭「広島イラン愛と平和の映画祭」を開催している。

      37. 谷根千工房と谷根千ねっと
        1984年から2009年(94号)まで刊行された地域雑誌『谷中・根津・千駄木』およびその後の刊行物やインターネット上での情報発信が優れている。とりわけ、東京下町の地域からの発信として、過剰な観光化といった問題についても示唆に富む発言を行っている。

      38. 山形大学ナスカ研究所
        世界遺産ナスカの地上絵に関する研究推進の拠点として2012年山形大学内に開設。日本とペルーの研究者・機関の連携により調査研究と研究成果の発信を行う。

      39. ラテンアメリカ音楽演奏入門ゼミとEstudiantina Komaba
        ベネズエラ音楽の演奏を中心とした学部ゼミを行い、学生のラテンアメリカ音楽に対する知見を深めると共に、学生自らが活発な音楽活動を行っている。また、東京大学駒場キャンパスには、他の質の高いラテンアメリカ音楽のサークルもあり、波及効果が大きい。
        『東大新聞』の記事

      40. 立教大学ラテンアメリカ研究所
        ラテンアメリカの政治・経済・社会ならびに文化一般の研究および研究者相互の協力を促進するとともに、ラテンアメリカ諸国民および関係諸機関との連絡と協力を図ることを目的とする。1963年設立以来、ラテンアメリカの事情や言語に関する講座、研究会や講演会の開催、機関誌等の刊行などを行う。

      41. リトルプレス『ありふれたくじら』
        美術家として活動する是恒さくらによる小冊子シリーズ。国内外各地の捕鯨や鯨猟、鯨への信仰などがみられる土地を訪ね、鯨にまつわる様々な物語を刺繍で表現した挿絵とともにまとめ、さらに展覧会も行なっている。2016年から2020年までに6巻までを発行。

      42. 早稲田大学ラテンアメリカ研究所
        ラテンアメリカを研究領域とする多様な研究者の集合体。研究者同士の学術的意見交換とプロジェクト提案を介して、開発途上国が直面する様々な問題(貧困、未熟な民主主義、人種間対立、ジェンダー無理解、軍事政権下での人権蹂躙など)の本質を解明し、その解決策を模索する。



      43. 2021年3月17日公開
        2023年3月22日更新